|
|
|
|
THE PEAK 2 PEAK GONDOLA |
|
|
【ピーク2ピーク・ゴンドラ】
2010/3/6 カナダ/ ウィスラー・ブラッコム
ピーク2ピークゴンドラ
北米ナンバーワン・スキーリゾートとして、日本のスキー・スノーボードファンにもおなじみの、カナダのウィスラー/ブラッコム。
ウィスラー・ボウル
今回は、同スキー場に昨シーズン(08-09シーズン)にオープンしたウワサのスーパーゴンドラ、PEAK
2 PEAK GONDOLA(ピーク・トゥ・ピーク・ゴンドラ)の現地レポート。
ピーク2ピーク・ゴンドラは、今年(2010年)のバンクーバー冬季オリンピックのアルペンスキーの会場にもなったウィスラーMt.と、隣接するブラッコムMt.を、その名の通りピーク側で結ぶという画期的な索道。
ドッペルマイヤーの3Sゴンドラリフト ピーク2ピーク
ドッペルマイヤー・ガラベンタ・スイスの技術協力の下でおこなわれたこの総工費43億円の壮大な索道建設プロジェクトは、2007年4月の起工から2008年12月の竣工までの20ヶ月間公式サイト内のブログと、ビデオ(かっこいいティーザーあり)で工事の進捗の様子がリアルタイムでアップデートされ、世界中のスノーファン・索道ファンの注目を集めた。
ピーク2ピーク・ゴンドラで採用されているシステムは、世界最大の索道メーカー、Doppelmayr(ドッペルマイヤー)の3Sシステム。3Sロープウェイの定義についてはこちらで書いた記事を参照。
トライケーブルのデタッチャブル・ゴンドラリフトの頂点に立つ同社のフラッグシップ・プロダクトで、ドッペルマイヤー傘下のCWA製の洗練されたデザインの搬器(3Sキャビン)が目印。
3Sのノウハウは1996年に現・ドッペルマイヤーによって開発され、デビューは2002年のバルディゼール(フランス)。
現在、ウィスラーの他にキッツビュール(オーストリア)、ボルツァーノ(イタリア)などのスキーリゾート/マウンテンリゾートを中心に世界6カ国9箇所で運行中。
雄大なカナディアンロッキーをバックに運行する、ピーク2ピーク・ゴンドラ。
ゴンドラの乗り心地は、とても静かで速い、という印象で走行中の振動もほとんど無く、フニテルのような安定感があった。
ゴンドラは全部で28機あり、1機が28人乗りとデタッチャブルとしては大きく、キャビンには24席のシートがあるので、「運の悪い4人」以外は、板を持ったまま11分間立っている必要はない。
ウィスラーは、オールシーズンのマウンテンリゾートなので、ピーク2ピーク・ゴンドラは通年運行。そのため、バリアフリーも徹底していて、駅舎も階段や段差を極力排除した設計となっている。
ウィスラーをはじめとした北米やヨーロッパのハイエンドなスキーリゾートが最新テクノロジーの索道の導入に莫大な投資を惜しまない理由は、索道の性能が彼らの収益に直結するから。
シンフォニー・エクスプレスの山頂停留所(ウィスラー/ピッコロ・サミット)
ウィスラーでは、06-07シーズンにも総工費9億円以上をかけ、ウィスラーMt.の森林限界を超えるBCエリアまで(ピッコロ・サミット)スキーヤー・スノーボーダーを一気に運ぶ高速リフトSymphony
Express(シンフォニー・エクスプレス)を新設している。
カジュアルで洗練された街、ウィスラー・ビレッジ
ウィスラー/ブラッコムの公式紹介ビデオ
− 巨人の肩の上で 〜 ウィスラーのゴンドラ物語 −
2010年からこの記事にリンクを貼っているので、もう観た人も多いかと思いますが、ウィスラー・ブラッコム製作のビデオ、On
the Shoulders of Giants(巨人の肩の上で) -2009年度作品)を改めてご紹介。
On the Shoulders of Giants(巨人の肩の上で)
このビデオは、20世紀のレジェンダリー・スキーヤーたちの証言によるウィスラーの歴史紹介と、ピーク2ピーク・ゴンドラの建設作業で各工程を担当した専任エキスパートやイントラウエスト社幹部へのインタビューを交えた索道建設ドキュメントの2部構成。
ピーク2ピークゴンドラ ウィスラー・マウンテン駅
索道編(12:50あたりから)の見どころは、ピーク2ピークゴンドラのウィスラー・マウンテン駅を新設するために、既存の高速クワッド、Solar
Coaster Express の上部停留所を「まるごと」450m下方に移動させるシーン。
また、長さ27000m、ひとつのリールの重さ90トンの索条を船でスイスからパナマ運河経由でカナダへ運び、バンクーバー港で陸揚げ後、鉄路と12輪のスペシャルトレーラーで現場まで運ぶ様子も圧巻。
多くの人々が関わる大プロジェクトを追うドキュメンタリーなので、索道やスキー・スノーボードに関心がない人でも、人間ドラマとして楽しめる内容。一見の価値アリ。
|
名称 |
The Peak 2 Peak Gondola |
事業者 |
INTRAWEST (イントラウエスト) |
索道の方式 |
28-TGD/3S |
ゴンドラタイプ |
Doppelmayr 3s bahn (ドッペルマイヤー 3S ) |
総延長 |
4,400m |
最高所 |
地上436m ★ |
搬器の数 |
28 |
支柱(基) |
4 |
支柱の最大径間 |
3,024m ★ |
支柱の高さ |
35-65m |
速度(毎秒) |
7.5m |
発車周期 |
49秒に1台 |
乗車時間 |
11分 |
最大乗車人数 |
28人 |
最大輸送(毎時) |
4,100人(片道2,050人) |
施工 |
Doppelmayr |
|
★印は世界記録。また、連続的に接続されているリフトシステム(Whistler Village
Gondola - Peak 2 Peak Gondola - Solar Coaster Express - Wizard Express)の総延長も世界一。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|