以前お知らせした通り、今回と次回の2回に分けて今まで当サイトでは扱わなかった戦前に開業した普通索道と、代表的な2つの路線の廃線跡を特集します。 |
【戦前とは】
戦前とは、国内では一般的に1941年(昭和16年)の太平洋戦争(第2次世界大戦)の開戦以前の時代のことを指します。 戦前のモノクロ写真からは古き良き時代を感じるというよりも、その「色の無い世界」に、暗く・不穏な時代が反映されているような印象を受けてしまいますが、戦前・特に昭和初期の国民の生活水準は必ずしも低くなく(*注1)、ある意味、優雅でモダンな時代だったようです。 当時の日本は「大日本帝國」としての政治・外交がおこなわれていた時代ですが、1941年の開戦より以前に書かれた小説などを読むと、庶民の感覚や暮らしぶりは意外に現代に近いことに気づきます。 開戦を境にやってくる、戦中から終戦にかけての軍事統制・食料難・物不足という圧倒的なイメージが強すぎて、「第二次世界大戦より前、明治・大正より後」の昭和初期という短い時代は、現代人にとって推し測ることが難しい、謎めいた時代なのかも知れません。 今回紹介するのは、戦前の優雅な時代に開業し、戦時における金属供出によってわずか10年で廃止された索道です。 |
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