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8-MGD Borest ,Badia |
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【ライトナー 8-MGD】
2015/2/15 イタリア / アルタバディア・コルバラ
今回は、2015年2月に訪れたイタリアのドロミテ・スーパースキー(Dolomiti Super
Ski)の索道レポート。
ライトナー 8MGD
ドロミテ山塊は北イタリア東部のオーストリア国境付近に広がる総面積14万1903へクタール(千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県の合計より大きい)の山岳地帯。その独特な山容と美しい自然景観、地形・地質学的価値により世界遺産に登録されている。
独特な山容が連なるドロミテ山塊を往くラ・バレス・ロープウェイ (トファーナ)
ドロミテ・スーパースキーは単体のスキー場の名称ではなく、ドロミテ山塊の12の広大なスキーエリアの総称。
ここに架る索道の総数は450基以上。エリア内には大きな町も点在しているため、スキーと索道だけでなく山岳鉄道や登山バスでも移動できるという、スキー場の集合体という括りでは文句なく「世界最大」のスキーエリア。
滞在したのは「ドロミテの真珠」と言われるアルペンリゾート、コルチナ・ダンペッツォ(Cortina
d'Ampezzo)。ここはこれまで紹介してきたスキーリゾートのように20世紀以降に開発された街ではなく、中世以前から人の営みがある街。
また、1956年にここで開催された冬季オリンピックで日本人初のアルペン競技でのメダリスト★注が誕生したことから、日本にも馴染みのある街でもある。
中世からの歴史を感じるコルチナ・ダンペッツォの街。
今回紹介する最新索道は、今シーズン(14-15シーズン)から運行を開始したライトナーの8-MGD。これはドロミテ名物「セラロンダ」で利用した。
セラロンダ(Sellaronda)とは「セラ一周」という意味で、ドロミテの中央にあるセラ山群を取り囲む山々の斜面をスキーと14本の索道で1日かけて一回りするツアーのこと。
セラロンダは基本的にセラ山群を包囲するスキーエリアのどこからスタートしても良いが、一般的に起点とされているのがコルバラ(Corvara)というスキーエリア。
セラロンダ(時計回り)のスタート地点のコルバラ。
ここから時計回り・反時計回りのどちらかでスタートして同じ場所に戻ってくる、という行程になる。
時計回りの場合、最後の区間となるボレスト(Borest)のColfosco→Corvara間にオープンしたのが8-MGDで、ライトナーの最新制御システム「LeitControl」が採用されたゴンドラリフト。
8-MGDのColfosco停留場。セラロンダ完走まであとわずか。
LeitControlの基本コンセプトは、ハードウェアに基づくシステムの一元管理。
すべてのプロセスをモジュール化することにより、日々のオペレーションの効率化と障害発生時における迅速な原因の切り分けを可能にし、それらをすべて操作卓の直観的なグラフィカル・インタフェースにより集中制御することがでる。
搬器はCWA製の円錐状の8人乗りタイプ。ご覧のようにスキー・スノーボードラックを設置せず、板をキャビン内に持ち込む方式になっており、Twist-Inという同社の特許であるキャビン外周をドアがスライドするメカニズムにより安全で迅速な乗降が可能。
また、運行装置もダイレクトドライブ方式の採用と4基のインバータにより駆動装置の速度を落とすことなく従来のリフトシステムから15dbもの騒音の低減に成功している。
なお、コルチナからから車で約2時間のクロンプラッツ(Kronplatz /AKA:プラン・デ・コロネス:Plan de Corones)には、以前このコーナーで取り上げたライトナー・ポーマのWi-Fi対応索道「One」のシリーズ第2弾となる「Alpen」が先シーズン(13-14シーズン)から運行を開始。
イタリアアルプスに飛び込んでいくようなトファーナの斜面。
コルチナ周辺のスノーエリアはハードパックされたバーンが主体。どんな急斜面でもコース幅分きっちりと踏んである。
スーパースキーの名の通り、スキーとボードの比率が9対1くらいで圧倒的にスキーヤーが多く、スキーを楽しんでいるというよりスピードを楽しんでいるという感じで皆さんカリカリのアイスバーンをかっ飛んでます。子供の頃からこの環境で練習しているイタリアの選手が強い訳だ。
今回のドロミテにも、国内では見られないユニークな索道がたくさんあった。そのへんのハナシは別の機会にまとめて特集する予定(未定)。
ドロミテスーパースキーの公式紹介ビデオ
名称 |
8-MGD Borest, Corviglia Badia |
事業者 |
Dolomiti Super Ski |
索道の方式 |
MGD |
開業 |
2014年12月 |
キロ程 |
1,294m |
高低差 |
58.8m |
山頂駅標高 |
1,604.8m |
山麓駅標高 |
1,545.9m |
速度(毎秒) |
6m |
搬器 |
63 |
最大乗車人数 |
8人 |
最大輸送能力(毎時) |
3000人 |
施工 |
Leitner |
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★注 猪谷千春選手(男子回転)の銀メダル。2014年のソチ大会での竹内智香選手(アルペンスノーボード女子パラレル大回転)の銀メダルまで58年間、日本人のアルペン競技唯一のメダルだった。 |
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